バフェットはなぜアップルを売ってアルファベットを買ったのか?40代サラリーマンが“真似していいこと・ダメなこと”

バフェットがアップル株を売ってアルファベット株を買う様子をイメージした分割イラスト(40代サラリーマン向け投資解説) コラム
バフェットはアップル一極からアルファベットを追加する“AIシフト”へ──40代サラリーマンは銘柄ではなく「考え方」をどう真似するかがポイント。

「バークシャーがアップルを売って、グーグル(アルファベット)を買ったらしい」ーー投資好きなら一度は耳にしたニュースだと思います。

でも、よくよく考えると疑問が出てきます。

  • アップルは“バフェット銘柄の象徴”じゃなかったの?
  • なぜあえて今、アップルを売ってアルファベットなのか?
  • 40代サラリーマンの私たちも、真似してアップルを売るべき?

この記事では、バークシャーの保有株式の代表銘柄から、アップル売却&アルファベット購入の背景を整理しつつ、最後に「我々はどう動くべきか」を40代サラリーマン目線で考えていきます。

普段の給与明細や資産推移は、投資・資産形成手取り公開の記事でリアルに公開しているので、本記事とあわせて読んでいただくと、バフェット流の考え方を自分の家計に落とし込みやすくなると思います。


  1. いまバークシャーで何が起きているのか【ニュースの整理】
    1. バークシャーの代表的な保有株式5銘柄
    2. アップル売却&アルファベット新規購入という“大きな組み替え”
  2. なぜアップルを売るのか?「愛はあるけど、リスクも見る」
    1. ① アップル一本足になりすぎた「集中リスク」
    2. ② 税率が低いうちに「含み益に税金を払っておく」
    3. ③ アップルの成長・規制・バリュエーションを冷静に見ている
  3. なぜいまアルファベット(グーグル親会社)なのか?【AI・クラウド成長の取り込み】
    1. ① AI・クラウド・広告が“三本柱”の成長エンジン
    2. ② 「後悔銘柄」だったGoogleへの“埋め合わせ”
    3. ③ アップル一本足から「複数の成長ストーリー」へのシフト
  4. 40代サラリーマンも「バフェット銘柄」に乗れば安心?真似していいこと・ダメなこと
    1. ① 前提条件がまったく違う
    2. ② バフェットと同じ「値段」では買えていない
    3. ③ 為替リスク・税制(NISA/特定口座)も考える必要がある
  5. 我々はどうすべきか?「銘柄」ではなく「考え方」を真似する
    1. ① 真似してよい“バフェット流ルール”
    2. ② コア・サテライト戦略で「バフェット要素」をスパイスに
    3. ③ 具体的な実践ステップ(40代サラリーマン向け)
  6. まとめ|アップル売却&アルファベット購入から学べる3つのこと

いまバークシャーで何が起きているのか【ニュースの整理】

この記事のポイント(サマリー)

  • バークシャーの株式ポートフォリオは、今も少数銘柄への超集中投資
  • トップ5銘柄(アップル、アメックス、バンカメ、コカ・コーラ、シェブロン)でおおよそ2/3を占める
  • 2025年Q3に、アップルを15%ほど売却し、アルファベットへ約43億ドルの新規投資

バークシャーの代表的な保有株式5銘柄

まずは、「バークシャー=バフェット」がどんな株を持っているのか、代表的なところを整理しておきます。

2025年Q3時点の米国株ポートフォリオでは、上位5銘柄が全体の約6〜7割を占めています。具体的には以下の5社です。

順位 銘柄 業種 ポートフォリオに占めるイメージ比率
1位 アップル(Apple) テック・コンシューマー 約23%(最大保有)
2位 アメリカン・エキスプレス クレジットカード・金融 約15%前後
3位 バンク・オブ・アメリカ 銀行 約10%前後
4位 コカ・コーラ 飲料 約10%前後
5位 シェブロン エネルギー 約8〜10%

(割合は2025年Q3の各種報道・13F情報をもとにした概算。出所例:Kiplinger「Warren Buffett Stocks: A Look at Berkshire Hathaway’s Holdings」Investopedia「Warren Buffett’s 2025 Portfolio」

この5社だけで全体の約2/3という、かなり思い切った集中投資です。バフェット=分散投資というイメージを持っていると、「意外と集中してるな」と感じるかもしれません。

なお、バークシャーの最新13F(機関投資家が保有銘柄を開示する報告書)は、米SECのEDGARで確認できます。

▼グラフ:バークシャー保有株トップ5の円グラフ

バークシャー・ハザウェイ保有株トップ5の構成比を示す円グラフ(アップルが約23%で最大)

バークシャー・ハザウェイの株式ポートフォリオのうち、アップル・アメックス・バンク・オブ・アメリカ・コカ・コーラ・シェブロンの5銘柄が全体の約3分の2を占めていることを示す円グラフ。SEC提出の13F報告書をもとにした概算値。

アップル売却&アルファベット新規購入という“大きな組み替え”

2025年Q3の13Fによると、バークシャーは次のような動きをしています。

  • アップル株:保有株数を約15%減らし、2億3,820万株まで縮小(それでも最大ポジション)
  • アルファベット株:クラスC株を約1,785万株、新規に約43億ドル分取得(10番目の保有銘柄)
  • 全体としては「買付約64億ドル」<「売却約125億ドル」の売り越し
  • キャッシュ残高は約3,800億ドルと過去最高水準

この「アップル売却&アルファベット新規購入」が、今回のテーマの出発点です。


なぜアップルを売るのか?「愛はあるけど、リスクも見る」

このパートのポイント

  • アップルは今もバークシャー最大の保有銘柄(“嫌いになった”わけではない)
  • 理由①:ポートフォリオの集中リスクを下げるため
  • 理由②:税率が低いうちに含み益に税金を払うという発想
  • 理由③:成長鈍化・規制リスク・バリュエーションを冷静に見た調整

① アップル一本足になりすぎた「集中リスク」

かつてバークシャーの株式ポートフォリオは、評価額ベースで4〜5割がアップルという、ほぼ「アップルファンド」と言っていい状態でした。

2025年Q3時点でも、アップルは約23%と最大ポジションであることに変わりはありません。

40代サラリーマンの家計に置き換えると、こんな感じです。

  • 以前:金融資産の半分以上が1銘柄(アップル)
  • 現在:それでも4分の1近くが1銘柄

バフェットは後継者(グレッグ・エイベル)へバトンを渡す準備も意識しつつ、「さすがに集中しすぎた部分を、人間的なレベルに落としている」動きと見ることができます。

② 税率が低いうちに「含み益に税金を払っておく」

アップル売却について、バフェット本人は年次総会などで次のような趣旨の発言をしています。

  • アップルは今でも素晴らしいビジネスで、コア保有に変わりはない
  • ただし、法人のキャピタルゲイン税率が21%と歴史的に低い水準にある
  • 将来税率が上がる可能性を考えると、「今のうちに一部を利確して税金を払っておく」方が合理的

つまり、

「アップルが嫌いになったから売った」ではなく、
「税金も含めたリスク管理の一環として、一部を利益確定した」

というスタンスです。

③ アップルの成長・規制・バリュエーションを冷静に見ている

アップルは依然として超高収益企業ですが、以下のような懸念も指摘されています。

  • 中国など一部市場でのiPhoneシェア低下や、競争激化
  • App Store手数料30%をめぐる独禁法・訴訟・規制議論の長期化
  • 株価が過去と比べて割高水準と評価される場面も増えてきたこと

こうした中で、アップルを「ゼロにする」のではなく「比率を下げる」のがバフェット流のバランス調整と言えます。


なぜいまアルファベット(グーグル親会社)なのか?【AI・クラウド成長の取り込み】

このパートのポイント

  • アルファベットは「検索+YouTube+クラウド+サブスク+AIインフラ」の成長エンジンの集合体
  • AI・クラウド分野の投資が売上・利益の伸びにつながりつつある
  • バフェット&マンガーが以前から「買うべきだった」と後悔していた企業でもある

① AI・クラウド・広告が“三本柱”の成長エンジン

アルファベットの直近決算では、

  • 2025年Q2:売上約964億ドル(前年同期比+14%)
  • 検索広告・YouTube広告・Google Cloudのすべてが2ケタ成長
  • 有料サブスク(YouTube Premium、Google Oneなど)の契約数は3億件超
  • AI関連需要がクラウドの成長を押し上げ、バックログ(将来の受注残)も拡大

と、AI投資がちゃんと数字にも表れ始めています。公式ブログや決算説明資料でも「AIが成長ドライバー」と繰り返し発信されています。(出所例:Google公式ブログ「Alphabet earnings Q3 2025」

AIインフラ全体の投資構造や「誰が得をするのか」については、当ブログの関連記事「AI企業のまがりかど―3兆ドル投資ラッシュと収益化の現実」でも詳しく整理しています。

② 「後悔銘柄」だったGoogleへの“埋め合わせ”

バフェットと故チャーリー・マンガーは、過去の株主総会で何度も、

  • 「グーグルは買っておくべきだった」
  • 「我々はグーグルを見逃した」

と語ってきました。

そのうえで今回、バークシャーはアルファベット株を約1,785万株・約43〜49億ドル分購入し、10番目の保有銘柄に押し上げています。

「ようやく本気で乗りにいった」と見ることもできるでしょう。

③ アップル一本足から「複数の成長ストーリー」へのシフト

ざっくり整理すると、

  • アップル:スマホ+エコシステムの成熟ビジネス(成長は鈍化傾向/規制リスクあり)
  • アルファベット:検索広告+動画(YouTube)+クラウド+サブスク+AIインフラという、複数の成長エンジン

アップルを一部売ってアルファベットに振り向けることで、

  • ポートフォリオ全体の集中リスクを下げる
  • AI・クラウドの成長ストーリーを取り込む

という2つの目的を同時に達成していると考えられます。

▼図:アップルとアルファベットのビジネス構造比較図挿

アップルとアルファベットの売上構成を比較した2本の積み上げ棒グラフ(アップルはiPhone依存、アルファベットは検索・YouTube・クラウドなど複数エンジン)

アップルとアルファベットの2023年度売上構成を比較した図。アップルはiPhoneとサービスの比率が高く、アルファベットは検索広告・YouTube広告・Google Cloud・サブスクその他の複数事業がバランスよく伸びている様子を示している。Appleの売上構成は2023年Form 10-K「Net sales by category」、アルファベットの構成は2023年の売上内訳データをもとに作成。


40代サラリーマンも「バフェット銘柄」に乗れば安心?真似していいこと・ダメなこと

このパートのポイント

  • バークシャーと私たちでは前提条件(時間軸・キャッシュフロー・規模)がまったく違う
  • 同じ銘柄を買っても、バフェットと同じ条件で投資しているわけではない
  • 真似していいのは「銘柄」ではなく、考え方・ルール

① 前提条件がまったく違う

バークシャーと40代サラリーマンの違いを整理すると、こんな感じです。

バークシャー 40代サラリーマン
資金の出どころ 保険フロートなどで毎年巨額のキャッシュ流入 給与・ボーナスから少しずつ
投資期間 ほぼ「無期限」、解約されない 教育費・住宅ローン・老後などキャッシュアウト予定だらけ
含み損への耐性 一時的なドローダウンでも事業は継続 含み損が精神的ストレスになり、底値で投げるリスク

同じ「アップル30%」「アルファベット10%」でも、受けるリスクの意味は全く違うことがわかります。

② バフェットと同じ「値段」では買えていない

もうひとつ重要なのが「買ったタイミング」です。

  • バークシャーは、過去の割安局面でアップルや商社株を大量に仕込んでいる
  • 私たちは、多くの場合「上がった後の価格」から参入

銘柄名が同じでも、

バフェット:1,000円で大量に買って、3,000円になっている
私たち:3,000円から買い始める

という構図になっていることがよくあります。

③ 為替リスク・税制(NISA/特定口座)も考える必要がある

日本の個人投資家が米国株を買う場合、

  • 株価変動+為替変動の二重のリスク
  • NISA・特定口座での課税タイミング・損益通算など日本独自のルール

を踏まえる必要があります。

「バフェットと同じ銘柄を持っているから安心」と思っていると、為替だけで大きく振らされ、想定以上のストレスになることもあります。

米国株のリスクとリターンのバランス感覚については、当ブログの関連記事「米国株(S&P500)は国債より安全って本当?」でも詳しく解説しています。


我々はどうすべきか?「銘柄」ではなく「考え方」を真似する

このパートのポイント

  • 真似していいのは「アップル+アルファベット」という配分そのものではない
  • 理解できるビジネスに長期で乗る税金も含めてリスク管理という考え方は非常に参考になる
  • 40代サラリーマンは、まずコアはインデックス、そのうえでバフェット銘柄は「スパイス」にするのが現実的

① 真似してよい“バフェット流ルール”

40代サラリーマンでも取り入れやすいルールは次の通りです。

  • よくわからないものには手を出さない
    └ 理解できないハイテク株や暗号資産を無理に追わない
  • ブランド力・参入障壁・継続的キャッシュフローを重視する
    └ コカ・コーラ、アメックス、日本の総合商社などが典型例
  • 税金も含めてトータルで考える
    └ NISAと特定口座の使い分け、利益確定のタイミングを意識する
  • 株価ではなく、ビジネスの価値を見る
    └ 一時的な株価下落だけで慌てて売らない

インデックスと資産分散の考え方は、当ブログの「米国株(S&P500)は国債より安全って本当?」や、金投資をまとめた「40代の金投資ガイド」とも一貫しています。

② コア・サテライト戦略で「バフェット要素」をスパイスに

現実的なポートフォリオのイメージは、例えばこんな感じです(あくまで一例・推奨ではありません)。

  • コア(70〜80%):全世界株インデックス・S&P500インデックス・バランス型投信など
  • サテライト(20〜30%):
    • バフェット銘柄(アップル、アルファベット、日本の総合商社など)を少額
    • 自分がよく知っている業界の個別株・高配当ETFなど

この「サテライト」部分で、バークシャーの保有銘柄リストを“アイデア帳”として参考にするくらいが、40代サラリーマンにはちょうどいいバランスだと感じます。

実際に筆者がどう資産を分けているかは、【資産公開】2025年7月時点の資産1,117万円の内訳と推移【資産公開】2025年10月末 総資産1,237万円の内訳と推移で、ポートフォリオの具体例として公開しています。

③ 具体的な実践ステップ(40代サラリーマン向け)

  1. 生活防衛資金(6〜12か月分の生活費)を現金で確保
  2. NISAのコア枠をインデックスで埋める
    └ 全世界株・S&P500・国内外株バランスなど、自分が腹落ちする1〜2本に絞る。筆者が新NISAで実際に買っている銘柄は、【実録】新NISAで買った3銘柄とその理由で詳しく解説しています。
  3. 余力の一部でバフェット銘柄を少額から研究&購入
    └ 1銘柄あたり、総金融資産の5〜10%を上限にルール化
  4. 四半期ごとに決算とバークシャーの13Fをチェック
    └ 「バフェットはこう動いた。では自分はどうするか?」と考える習慣をつける

NISAとiDeCoの違いや、節税をしながら老後資金を作る方法は、【初心者向け】iDeCoとは?NISAとの違いと40代から始めるべき理由を徹底解説!でも詳しくまとめています。


まとめ|アップル売却&アルファベット購入から学べる3つのこと

  • アップル売却=アップル嫌いではない
    └ 集中リスクを下げつつ、税率が低いうちに含み益の一部を現金化した動き
  • アルファベット購入=AI・クラウドの成長取り込み
    └ 検索広告・YouTube・クラウド・サブスク・AIインフラという複数の成長エンジンを持つ企業へのシフト
  • 私たちが真似すべきは「銘柄」ではなく「考え方」
    └ 理解できる強いビジネスに長期で乗り、税金や集中リスクも冷静に管理する姿勢

40代サラリーマンの私たちにとって大事なのは、

「バフェットと同じ株を買うこと」ではなく、
「自分の家計・ライフプランに合ったリスクの取り方をすること」

だと思います。

そのうえで、バークシャーの動きを「投資の教科書」ではなく、「一歩引いた視点からのヒント」として活用できれば、資産形成はぐっと心強いものになります。日々の家計改善や固定費の見直しは、家計管理術固定費見直しの記事も参考にしてみてください。


※免責事項
本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任にてお願いいたします。また、税制・制度は今後変更される可能性があります。最新情報は金融庁や各証券会社等の一次情報をご確認ください。
当ブログの投資リスクや広告・PR表記の考え方は、広告・PR表記と投資注意および用語集ページにもまとめています。

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