要点サマリー(60秒)
- “40%”見出しの出所:Citiの公的部門向けレポートとそれを引用した報道が起点。母集団・加重法・評価時点で数値は大きく変わるため、世界平均と同義ではない(出所:Citi Public Sector Perspectives 2025、IMF COFER、WGC 中央銀行サーベイ)。
- 足元の事実:9/16〜18に金は過去最高(〜$3,707)。9/17にはFRBが0.25%利下げを決定(出所:Reuters、Federal Reserve)。
- 見通しの幅:6〜12ヶ月はレンジ〜やや軟化がメイン(Citiは「$3,000割れ」も)。一方で2026年に$4,000観測(独銀)もあり、家計は「ヘッジ枠5〜10%を定額積立+リバランス」が現実解(出所:Reuters/Kitco、Reuters)。
1. 「40%」見出しはどこまで本当か(定義・集計の落とし穴)
起点はCitiの公的部門向けレポートの示唆と、これを引用した報道。どの国を対象に、どう加重し、どの価格で評価するかによって比率は大きく変動します。世界合算の公式統計であるIMF COFERは“通貨構成”のみを扱い、金は別枠(評価は各機関・調査で別管理)です(出所:Citi、IMF COFER)。
また、WGCの中央銀行サーベイでは「向こう1年も保有増や現状維持の回答が優勢」。ただし国・地域差が大きく、「世界平均=40%」と短絡するのは不正確です。
2. 直近の事実:価格・政策・フロー
- 価格:9/16に過去最高($3,689)→9/17に$3,707を更新。9/18は利下げ後の発言を受け小反落(出所:Reuters、Reuters)。
- 政策:FRBは9/17に0.25%利下げを決定(出所:Federal Reserve)。
- ETFフロー:8月は世界の金ETFが3ヶ月連続の流入。月次では西側中心に流入、アジアは流出傾向(出所:WGC Gold ETF Flows(2025/09)、WGC Data)。
3. 価格のドライバー(家計目線の3本柱)
- 実質金利(10年TIPS):低下→追い風/上昇→逆風。指標例:FRED: DFII10(参考:YCharts)。
- ドル指数:ドル安は金高に寄与(為替換算の効果)。
- 需給(公的部門・ETF):中央銀行のネット買い継続に加え、ETFの資金流入が続くと上値を支えやすい(出所:WGCサーベイ、WGC ETF月報)。
4. 見通し(2025/9/20時点のシナリオ)
- 短期(〜3か月):$3,400〜$3,800の“高原レンジ”が本線。利下げが下支えだが、高値圏で利確も出やすい(出所:FRB、Reuters)。
- 6〜12か月:レンジ〜やや軟化がメイン。実質金利・ドルの反発、ETFの流出転換が重なると$3,000台前半までの押しも。Citiは$3,000割れの弱気シナリオを継続(出所:Reuters/Kitco)。
- 2026年方向:上振れリスクも共存。独・ドイツ銀行は$4,000を予想(出所:Reuters)。
方向感を強める“合図”の目安:強気=10年実質利回り1.5%割れ+ETF4ヶ月連続流入。弱気=実質利回り1.9〜2.0%台へ上振れ+ETF流出転換(出所:WGC、FRED)。
5. 個人が使える「金」投資の選択肢とコスト要点
- 国内ETF(現物裏付け/先物連動):信託報酬・為替影響・乖離を比較。NISAの成長投資枠で活用。
- 純金積立:スプレッド+月次手数料。定額積立(DCA)で平準化。
- 金鉱株/金鉱ETF:金価格に対しレバレッジ的に振れ、ドローダウン大。コアは金そのもの。
- 現物地金・コイン:保管・盗難・相続の実務と売買スプレッドを要確認。
6. 40代サラリーマン家計の“現実解”テンプレ
前提:①生活防衛資金(6か月)→②長期積立(株・債券・持株会*)→③ヘッジ枠としての金。
- 配分ルール(目安)
総金融資産の5%:リスク許容度高め/安定収入
総金融資産の7.5%:教育費ピーク・住宅ローンあり
総金融資産の10%:退職まで10〜15年/ボーナス依存度高 - 運用ルール:一括は避ける。毎月定額+イベント時に少額追加、配分乖離±2ptでリバランス。
- やりがちNG:高値一括/金一本足打法/保管軽視/為替の二重ボラ無視。
*当サイト方針:持株会は優位性が高く、削減対象に含めない。
7. 家計に落とす「具体ステップ」
- 家計の総資産×目標比率(5〜10%)で「金の上限額」を決める。
- 毎月の定額を設定(例:上限の1/24〜1/36)。
- チェックは実質金利・ドル指数・ETFフローの3点に絞る(出所:FRED DFII10/WGC ETF月報)。
- 強気合図が出ても上限厳守で追加は1回分まで。
8. 読者が誤解しやすいポイントQ&A
Q. 「世界は40%も金」=世界平均ってこと?
A. いいえ。国ごとの偏りや集計方法で見え方が変わります。COFERは通貨のみ(金は対象外)で、WGCサーベイは各中銀の「姿勢」を測る調査です(出所:IMF COFER/WGC)。
Q. 史上高値だけど、今から買うのは遅い?
A. ヘッジ枠の少額・定額なら妥当。価格当てより設計(ルール)優先(出所:Reuters)。
Q. 金鉱株で代用できる?
A. 別物。金価格に対し変動が増幅されやすく、コアは金そのものが無難。
9. 本記事で使った一次情報(コピペ可)
- 中央銀行の姿勢:World Gold Council: Central Bank Gold Reserves Survey 2025
- COFER(通貨構成。金は対象外):IMF
- FRB 0.25%利下げ(9/17):FRB声明/実施ノート:Implementation Note
- 金の史上高値更新とその後の動き:Reuters/Reuters
- ETFフロー(8月):WGC/データ:WGC Data
- 価格見通し(弱気/強気):Citi(Reuters/Kitco)/Deutsche Bank(Reuters)
10. まとめ:金は“心の保険”。量とルールで持つ
- 結論:センセーショナルな「40%」は読み方に注意。世界の実態は国別偏りが大きい。
- 行動:総資産の5〜10%をヘッジ枠として、毎月定額+リバランス。一括・過剰集中は回避。
- 補足:強弱見通しが割れる局面こそ、設計(ルール)で勝つ。
※本記事は投資助言ではありません。最終判断はご自身の責任でお願いします。


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