まず「トランプ関税」の今を3分で整理
何が決まった?——日本・EU・韓国は“15%”に
米国は2025年4月3日に輸入車への追加関税25%を発動し、一般関税2.5%と合わせて当初計27.5%に。7月に入り、日本・EU・韓国とは自動車・部品の関税を“15%”に下げる合意が相次ぎました(一般2.5%+追加12.5%)。ただし“いつから”が要点です(合意公表時の紙面・速報まとめ)
出所:朝日新聞:自動車への関税は計15%に、Response:対EUも15%で大筋合意 (朝日新聞, レスポンス(Response.jp))
最大の論点——「実施時期」と「積み上げ(スタッキング)」回避
日本は27.5%→15%の引き下げの実施時期が未明確な点を問題視。日米は「同時タイミングで引き下げる」方針を確認したものの、大統領令の発出など実務が残っています。引き下げが遅れるほど、日本車は米国での価格面の不利が続きます。
出所:ロイター:交渉の実施要請へ訪米/ロイター:実施の前倒し要請
なぜ「大騒ぎ」なのか?(家計と産業の同時直撃)
メーカー→販売価格への転嫁懸念
関税は輸入コスト=最終価格に跳ねやすく、米国向け完成車・部品を扱う日本勢の採算を悪化させます。トヨタは通期で1.4兆円規模の関税影響を見込み、2026年3月期の営業利益見通しを下方修正しました。サプライチェーンの部材・鋼材にも関税が及ぶため、米国内生産でも“原価”が上がるのがミソ。
(出所:ロイター:トヨタ、関税影響で減益見通し)
“駆け込み需要→反動減”で販売も不安定
関税発動前の駆け込みで米新車販売はQ1にかけ上振れ。GMが首位、トヨタが2位の構図は維持されつつ、価格上昇で年後半の失速が警戒されています。(The Washington Post)
(出所:ワシントン・ポスト:関税前の駆け込み)
各地域への影響:日本・韓国・EUの“力学”が変わる
日本:関税は下がる見通しでも“タイムラグ”が痛い
- “15%”へ下がる合意はプラスだが、実施タイミングが未確定。
- トヨタ等大手7社の影響は計2.7兆円規模との報道(2026年3月期ベースの概算)。対策として現地生産・調達切替が加速。(mag.executive.itmedia.co.jp)
(出所:産経×ITmediaエグゼクティブ:自動車7社で2.7兆円減益要因)
韓国:FTAの“ゼロ関税”が消失し、日本と同水準に
KORUS(米韓FTA)で乗用車の米関税2.5%は2016年に撤廃されていましたが、今回の“相互関税15%”で日本と同水準に。価格優位が消えることへの警戒が強まっています。(Congress.gov, Reuters, フィナンシャル・タイムズ)
(出所:米議会調査局:KORUSで自動車関税は2016年に撤廃/ロイター:韓国勢の株価反応)
EU:同じく“15%”で折り合い、米向けは限定的
EUも日本と同水準の“15%”で大筋合意。EUの米向け完成車輸出は限定的で、日本や韓国比で直接影響は小さめとの見方。(レスポンス(Response.jp))
(出所:Response)
数字で見る「日本の自動車産業」:世界3位の存在感
2024年の生産は823万台(世界3位)
国際自動車工業連合会(OICA)の国別統計では、日本の2024年の総生産は8,234,681台。中国・米国に次ぐ世界3位の規模です。
(出所:OICA:国・地域別 2024年生産)。
※当面は“世界3位の供給国”としての地位は堅い一方、関税・為替・環境規制の三重苦で採算と投資先の見直しが不可避。
家計には何が起きる?——40代サラリーマン家庭の“リアル”を試算
関税ショックが波及しやすい支出項目
- 新車・中古車価格:完成車(輸入)だけでなく部品・素材の関税で国産でも実質コスト増。(Reuters)
- 保険・メンテ費:車両価格上昇に連れて保険料率や部品交換費が上振れ。
- ガジェット・家電:米ブランドや米サプライチェーン依存品は在庫切替時に値上げ。
モデル家計の差額イメージ(月)
| 項目 | 平常時 | 関税・価格転嫁後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 車関連積立(買い替え/車検) | 15,000円 | 20,000円 | +5,000円 |
| 自動車保険 | 8,000円 | 9,000円 | +1,000円 |
| メンテ・消耗品 | 5,000円 | 6,500円 | +1,500円 |
| ガジェット積立(スマホ等) | 6,000円 | 8,000円 | +2,000円 |
| 合計 | 34,000円 | 43,500円 | +9,500円 |
※わが家の家計簿テンプレに当てはめた概算例。実勢価格・保険等級・走行距離で上下します。当ブログの毎月の実績公開ページで検証可能(内部リンク:今月の収支と資産推移)。
メリットは“ゼロ”ではない:長期の産業構造調整
国内回帰・内製化の追い風
- 為替・関税リスクを嫌って国内回帰投資や現地化が前進。
- 供給網の二重化は災害リスク管理にも資する。
- ただし短期の価格上昇・利益圧迫は回避困難(トヨタも下方修正)。(Reuters)
今日からできる家計防衛“5つの実践”
① 車の“買い替えタイミング”を見直す
- 値上げ前の在庫処分セールや型落ちを狙う。
- 残価設定ローンの再見積りで月額を平準化。
- 任意保険は同等補償で一括見積りを定期更新。
② 維持費の固定費化&見直し
- 自動車保険:年1回の乗り換え診断で数千円単位の削減余地。
- 通信費:【実録】格安SIMで年▲9.1万円
- サブスク:要らない“月500円”を止めるコツ
③ 関税・インフレに強い“分散投資”
※投資判断は自己責任。価格変動・為替・制度改定のリスクがあります
④ 家電・ガジェットは“米ブランド依存”を避ける
- 代替の国産・アジアブランドも候補に
- 中古・整備済(リファービッシュ)の品質が上がっている
⑤ マイカー以外の選択肢も“数字で”比較
- カーシェア/サブスク/長期レンタルを“年間トータル”で
- 都市部は自動車“なし生活”を半年テストする価値あり
図表テンプレ
関税の整理(現状→合意水準)
| 対象 | 発動時(4/3以降) | 合意水準 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 日本,EU,韓国の自動車/部品 | 27.5%(2.5%+25%) | 15%(2.5%+12.5%) | 実施時期は国ごとに要確認 |
参照:朝日/Response。実施時期の不透明さ:ロイター。 (朝日新聞, レスポンス(Response.jp), Reuters)
日本の自動車生産(OICA)
- 2024年:8,234,681台(世界3位)
出所:OICA(国別・地域別 2024)
よくある疑問(Q&A)
Q1:15%になれば、すぐに車は安くなる?
A:実施時期と在庫の切替次第です。既に高関税で通関した在庫は価格に反映済みのため、値戻りには時差があります。(Reuters)
Q2:日本は得?韓国は損?
A:韓国はKORUSで0%→15%になり優位性が消失。日本は27.5%→15%へ“戻る”合意で悪材料の緩和ですが、実行タイミングが焦点。(Congress.gov, 朝日新聞)
Q3:株価や雇用は?
A:トヨタなどは減益見通しを公表。投資・雇用判断にはタイムラグがあり、業績→賃金・ボーナスへ波及しうる局面です。(Reuters)
[まとめ] 関税は“遠い話”ではない——価格と賃金に静かに効く
- 価格はじわ上昇、値戻りは時差——焦点は実施時期と在庫の切替。(Reuters)
- 日本の自動車は世界3位の供給源——影響は国内の雇用・設備計画にも波及。
- 家計は「買い替え時期・固定費・分散投資」の三本柱で守る 内部リンク活用:通信費見直し/金の買い方/NISA実績
参考・出所(一次/主要情報)
- 自動車関税の合意水準と経緯:朝日新聞、Response。 (朝日新聞, レスポンス(Response.jp))
- 実施時期・大統領令:Reuters、Reuters。 (Reuters)
- トヨタ等への業績影響:Reuters、産経×ITmediaエグゼクティブ。 (Reuters, mag.executive.itmedia.co.jp)
- KORUSと韓国の優位性消失:CRS(KORUS)、Reuters。 (Congress.gov, Reuters)
- 世界・日本の生産統計:OICA 国別2024
免責
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定銘柄・サービスの勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします(免責事項)


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