はじめに
物価高と円安が続き、将来の年金や給与も右肩上がりとは言い切れない――。会社員として働きながら「守り」と「攻め」をバランスさせた資産形成を目指す40 代サラリーマンにとって、**インフレに強い金(ゴールド)**は再注目の対象です。本記事では「金ってどう買うの? なぜ必要なの?」という疑問に、初心者でもわかる言葉で答えます。
なぜ今あえて「金」?40 代サラリーマンが注目すべき3 つの理由
- インフレ・円安ヘッジ
- 消費者物価指数が上昇局面にある今、実質預金金利はマイナス圏。金は「価値の保存手段」として古くから機能してきました。
- 株式と異なる値動き=分散効果
- 株や債券と相関が低く、暴落時のクッションになり得ます。筆者も「守り5%」としてポートフォリオに組み込みました。
- 有事資産としての安心感
- 地政学リスクが高まると資金が金へ逃避する傾向が強まり、価格が上昇しやすい特徴があります。
金の購入方法 5 つとメリット・デメリット
① 金地金(インゴット)
- メリット:実物を手元に置ける安心感/リスクオフ時にも換金ニーズが高い
- デメリット:保管費・盗難リスク。1 kg インゴットは 1 本 1000 万円超とハードル高め
② 金貨(メイプルリーフ・ウィーン金貨など)
- メリット:1 枚数万円~で購入可/プレミアム価値の上昇も狙える
- デメリット:希少性プレミアムが価格に上乗せされ、純粋な金価格より割高
③ 純金積立
- メリット:月 1000 円からOK/ドルコスト平均法で高値掴みを緩和
- デメリット:買付手数料(約 1.5~2.5%)+保管料がかかる/現物引出し時に別料金
会社を通じた積立制度を活用する方法もあります。実際の持株会積立については、こちらの記事で公開しています。
④ 金 ETF
- 国内上場例:1326(SPDR ゴールド シェア)、1540(純金信託)、1672(金価格連動型)
- メリット:ネット証券で株と同じ感覚で売買/信託報酬は 0.4〜0.6%程度と安い
- デメリット:為替変動の影響を受ける/現物引き出しは不可
・新NISAを活用したETF投資の実例はこちらで公開中です
・日本取引所グループ(JPX)のETF銘柄一覧から確認できます。
実録:1540 純金信託を 5 株購入した理由と妥当性
| 約定日 | 証券コード | 売買単価 | 数量 | 約定金額 | 想定保有グラム |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025/06/21 | 1540 | 14,755 円 | 5 株 | 73,775 円 | 約 4.7 g |
・「金の果実」シリーズは 1,065 口 ≒ 1,000 g の金地金に交換できるため、1 口あたり約 0.94 g の裏付けがあります
・最新の価格推移はこちら
購入を決めた 3 つのポイント
- ポートフォリオ目標 5 % の初期ロット
- 総資産 150 万円規模と仮定すると、本取引は約 4.9 %(=73,775÷1,500,000)で目標比率をほぼ充足。
- コスト優位性
- 信託報酬 0.44 %/年、楽天証券は売買手数料無料。
- 実質購入単価は 15,714 円/g と当日のスポット価格(約 15,700 円/g)にほぼ一致
- 現物交換オプション
- 将来 1 kg インゴットへ転換可能(1,065 口単位)。
- 長期保有前提で「安全弁」として機能。
リスク・注意点
- 年初来高値(15,095 円)付近の水準であり、短期調整に要警戒
- 為替変動の影響を受けるため、円高局面では評価額が目減りする可能性。
⑤ 金鉱株・金関連ファンド
- メリット:配当や企業成長による株価上昇も期待/NISA 対応銘柄も多い
- デメリット:金価格以外に原油価格・政情不安・経営リスクなど複合要因で変動
金はどこで買える?主要チャネルと手数料比較
- 地金商(田中貴金属・三菱マテリアルなど)
- 店頭スプレッドは 5〜7%。大口購入向き。
- オンライン証券(楽天証券・SBI 証券)
- 金 ETF 売買手数料は無料〜 0.1%程度。ポイント投資も可。
- 銀行・百貨店の純金積立
- 口座開設が手軽。買付手数料は証券会社より高め。
価格情報は 田中貴金属公式価格チャート で毎日確認できます。
筆者ポートフォリオにおける金 5%の役割:今後の目標
| 資産分類 | 比率 | 性格 | コメント |
|---|---|---|---|
| 現金 | 5% | 守り | 生活防衛費+緊急資金 |
| 国内株式 | 10% | 攻め | 企業成長期待 |
| 米国株式 | 5% | 攻め | グローバル分散 |
| インド株式 | 5% | 攻め | 高成長期待 |
| 投資信託 | 35% | 守り | インデックス中心 |
| 金 | 5% | 守り | 物価・為替ヘッジ |
| 会社持株 | 25% | 攻め | 補助 10%+長期リターン |
| 会社積立 | 5% | 守り | 積立保険・確定拠出など |
ポイント:攻め(株式・持株 45%)と守り(現金・投信・金・積立 55%)を拮抗させ、金は“最後の安全弁”として配置。
>ポートフォリオの推移や資産バランスの詳細は、こちらの記事でも詳しく公開しています。
初心者が陥りやすい 3 つの落とし穴と対策
- 手数料・スプレッドを見落とす
- 地金の場合は “購入=売却” 価格差が大きい。売却出口も事前に確認。
- 保管方法を後回しにする
- 自宅保管なら耐火金庫+盗難保険。量が増えたら 貸金庫サービス を検討。
- 短期売買で失敗
- 金は利息が付かないため売買コストが成績に直結。長期保有を前提に。
タイプ別・あなたに向く金投資診断
- 安全第一派:まとまった退職金を予定 → 金地金+貸金庫
- 少額から始めたい派:月 1 万円以下 → 純金積立
- 投資効率重視派:売買タイミングを自分で管理 → 金 ETF(1326/1540 など)
- 成長も狙いたい派:一定のリスク許容 → 金鉱株・関連ファンド
よくある質問(Q&A)
Q. 金の売却益は課税される?
A. 金地金・金貨の譲渡益は「譲渡所得」。保有期間 5 年超なら 50 万円控除+税率 15%(住民税含まず)。ETF は株式と同様 20.315%。
Q. NISA で金 ETF は買える?
A. つみたて NISA は対象外、成長投資枠 NISA なら対象。非課税で売却益を得られます。
Q. 純金積立は iDeCo でできる?
A. iDeCo には金商品がないため不可。年金枠では国内外株式・債券などで補完が必要。
まとめ|金を買う前に知っておきたい 4 つのチェックリスト
- 投資目的を明確に:インフレヘッジ? 分散? 安全資産?
- 保有スタイルを決定:現物 or 純金積立 or ETF
- 手数料総額を比較:購入・保管・売却コストを合算
- ポートフォリオ全体で 5〜10%を目安に:守りの比率をキープ
筆者自身、金 5%を「守りの最終ライン」として位置づけ、純金積立+金 ETF のハイブリッドで実践中です。小さく始めてコツコツ継続し、相場に一喜一憂せずに長期で保有する――それが 40 代サラリーマンの忙しい毎日にフィットする“堅実な金投資”の王道と言えるでしょう。
免責事項:本記事は投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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